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作:昼咲月見草

無防備都市

 世界にその名を冠する無防備都市ソーリャ。  そこには代々聖女と呼ばれる存在があった。  今代の聖女の名はセレフィアム・ターニャ・ソーリャ。  時がくれば神殿の奥深くにこもり、世俗とは離れて生活をするようになる彼女も、今はまだ10才の少女。  大人たちに隠れて神殿を抜け出しては、外でできた友人とわずかな自由を楽しんでいた。  友人の名はウォーダン。  都市の生まれではなく、祖父と共に旅をする放浪の民であった。  都市の人間であれば、聖女となる娘に近づくこともない。  知らぬが故の友情だったが、2人の仲は大人によって裂かれることとなる。  放浪の民の子どもなど殺してしまえ、という大人たち。  セレフィアムは泣いてやめてと頼むが聞き入れられない。  暴行を受け、気を失う寸前、ウォーダンは彼女に誓う。 「いつか必ず、助けに来る」と。  この街は何かがおかしい、何かが歪んでいる。    それから10年。  ソーリャは各地を侵略して回る帝国の脅威に晒されていた。  人々は強大な軍隊を前にしても都市の結界を信頼している。  しかし、その結界はなぜか帝国の軍隊の進軍を妨げることはなかった……。  ※作中で災害が発生します。ご注意ください。

更新:2024/2/5

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