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ノベルアップ+ホラー連載:5話完結

待合室とおじさんと私

 ネタバレはしないつもりですが、ぜひまずは作品のほうを触れていただくと、より切れ味の鋭い短編の面白さが味わえるのではないか、と思います。  うるさいセミの声が聞こえる、ある八月の夏。    最寄りの無人駅に足を運んだ〈私〉は、待合室にひとり座る〈おじさん〉と出会う。外見は三十代から四十代前半くらいだろう若白髪の彼は、役場の住民課に働く、村一番の美人と村では知られたユカリさんの婚約者として訪れていて、村では話題の人物になっている。そんな彼にユカリさんの話を聞くと、彼は話を変えるように、かつて悪いことをしたひとを落としていた〈底なし沼〉の話をはじめる……、  というのが本作の導入で、昭和から平成へと移り変わる時代の、〈少女〉と〈おじさん〉のどこか郷愁もかいま見えるひと夏の邂逅はすこしずつ色を変えていきます。  結末に立ち上がってくる残酷なヴィジョンに思わずぞっとしてしまう、奇妙な怖さのある作品なのですが、ただ序盤で感じていた違和感の正体が徐々に明かされていくミステリ的な面白さもあり、このふたつのジャンルが好きなひとには、ぜひおすすめしたい内容になっています。そして淡々とした語り手の視点を通して語られる、村の閉鎖的な雰囲気も、作中に漂う不穏な感じを盛り立てていて、さらに恐怖が増していくのが嬉しい。

5.0
  • 作品更新日:2020/8/16
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+ホラー連載:31話完結

呪いのメイズさん

 もし恐怖がひとを変える力を持つとしたら、  これは、恐怖、という体験を通してひとりの少女が勇敢さを得ていく物語です。  今回はネタバレは避けながらのレビューにはなりますが、それでも事前情報を得ることで作品に対する印象が変わる場合もあるとは思うので、未読の方はご注意ください。  転校初日、〈わたし〉こと瀬戸深月は変な夢を見る。彷徨った生垣の迷路の先に見つけた洋風の立派なお屋敷、その庭に小学生三、四年生くらいの幼い女の子がいて、メイズと名乗った女の子に友達になって欲しい、と言われる夢だ。そして新しい中学校生活がはじまる中で、〈わたし〉はクラスの中心的存在である宮島真珠からこの辺りで知られる変わった占いについて教えられる。質問に答えてくれるメイズさんの占い。夢に出てきた女の子と同じ名前だった。以降、〈わたし〉は道案内に、テストの答えに、とメイズさんの占いに頼るたびに、その占いは未来のことまで百発百中になりクラスから一目を置かれるようになり、不審に思った真珠から問い詰められて……、  と本作の導入はこんな感じで、「メイズさんの占い」という言葉だけを聞くととても可愛らしいですが、徐々に表していくメイズさんの本性は、とてつもなく怖い。  中盤以降、容赦のない恐怖が展開されていくので、あんまり怖いのは……、という向きには気軽に薦められませんが、その代わりホラーと聞くと涎が出る向きには、こんな文章を読んでいる暇があったら、さっさと作品へ行け、と言いたくなる内容になっています。途中から、深月とメイズさんとの意外な関わりやメイズさんの起源が明るみになっていくことで、ぼやけていた輪郭がくっきりしてきて怖さが増してくるような感覚があります。  そしてホラーの怖さを盛り上げる要素として、この作品には人間関係の魅力もあるのですが、登場人物同士の距離感やパワーバランスが事件や出来事によって歪に変化し、元ある形が崩れていく様が、胃がきりきりとしてきて、この嫌な感じが素晴らしい(褒め言葉です)。  ただそんな恐怖と嫌悪の果てに、ひとりの少女が友情を育みながら、成長していく姿があり、青春の物語として後味の良さが残るのもすごく心地良くて、怖いのが大丈夫なひとならば、ぜひとも読んで欲しい作品です。

5.0
  • 作品更新日:2020/3/27
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:5話完結

チョコレート パニック!

 物語後半の内容に触れるため、ネタバレフィルタを付けました。まだ読んでいない方は、まずはぜひ作品のほうを。  良識のある清廉な男女ばかり集まったそこそこの進学校に通う、デブでオタク(本人評)な〈俺〉は、周囲の自分への要らぬお節介にも等しい視線を含んで迷惑なバレンタインデーを呪う気持ちから悪魔を呼び出す儀式の真似事をして自己嫌悪に陥ってしまうが、そんな冗談めいた遊びは、本当にソロモン72柱の魔神のひとりである、吟詠公爵ゴモリー、異国情緒あふれる妖艶な美女を召喚してしまう……というのが、物語の導入で、「チョコレート パニック!」なるタイトルに似合いの騒動を経て、その先にある少年のひとつの成長への共鳴が胸を打つような作品になっています。  あれが嫌だ、これが嫌だ、と何かを憎んだり呪ったり、とする感情は多かれすくなかれ、ほとんどのひとに備わっているもので、今回の語り手にとって、それはバレンタインデーであり、類似するようなイベント事だったわけですが、すくなくとも私には他人事のようには感じられず、語り手の感情を卑屈だ、と笑うことはできませんでした。  それがバレンタインデーになるかは別にしても、誰もがどこかに身に覚えのある普遍的なものなのかもしれません。だからこそ語り手が存在自体に憎しみを向けるのではなく、見方、心の持ちようを変えていくことで一歩前に進んでいく姿が、自分事のように嬉しく感じて、読者自身も語り手に自分を重ねて、いまの気持ちの在り方を再確認しながら先に進んでいけるような、そんな気持ちになれる小説でしたし、そういう読み方はしなくても、爽やかな印象が残る青春エンターテイメントとして楽しい作品なので、ぜひ幅広くお薦めしたいな、と思いました。

5.0
  • 作品更新日:2023/9/22
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+青春・ヒューマンドラマ完結非公開

雨の音色

〈小野がゆっくりと右のリールを回すと、編集機の画面には雨の風景が映し出された。雨の街並み。水たまりの波紋。そして、雨粒に頭を揺らす草むらの葉っぱたち──。〉  同じひとを、同じ光景を見ても、すこしだけ見方を変える、あるいは新たな視点をすこしだけ取り入れてみると、それまで眺めていた世界はまるで違って見えたりする時、ってありませんか。本作は、そんな感覚を再認識させてくれるような、読み終わった後、読者自身も、いままで見ていた景色が違って見えるかもしれない、そんな気持ちになる作品です。  県でも有数の強豪女子バスケ部に所属する〈私〉は、恋愛よりもバスケ、という筋金入りのバスケ女子で、これまでも男子からの告白は断っていたのだが、「なあ清水、シュウがお前のこと好きなんだって」と本人ではなく(本人さえも予期していなかった)別のクラスメートを伝って耳にしたシュウこと小野修二の間接的な告白だけは、どうも尾が引いてしまった。どうも彼のことが気に掛かり、〈私〉は映画好きの彼が以前話していた『シェーン』を観ることにして……、  穏やかなトーンで綴られるふたりの距離感の変化に惹き込まれ、感情の揺らぎに寄り添わせて、爽やかな余韻とともに物語は幕を閉じます。  たとえばこの作品においては『シェーン』がそれになるわけですが、物語が別の物語に繋がっていく(作中で言及されている作品が読みたくなる、観たくなる)作品なのも、個人的にはとても嬉しい。

5.0
  • 作品更新日:2021/2/11
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+純文学連載:8話完結非公開

高台の公園

 ネタバレには配慮した感想になりますが、真っ新な気持ちで読んだほうが受ける印象が鮮やかになる気がします。未読の方はぜひ感想よりも、作品のほうを。  三十歳を前にして札幌での仕事を退職した〈私〉こと滝本奈緒は、地元に戻った際に、町内の子供たちから「神社公園」と呼ばれていた公園を二十年ぶりに訪れる。人も寄り付かなくなって久しく、いまでは多くの遊具がなくなり、すっかり寂れた様子の町外れの公園で、〈私〉が思い出すのは、小学四年生の春に姿を消した舞のこと……というのが、導入。  誰にとっても偏愛を注いでしまうジャンルや作風がある、と思います。趣味嗜好が大きく関わり、どんな作品がそれに当たるのかは十人十色で、どれだけ似ていても、同じになることはほとんどないでしょう。私にとってのそのひとつが、過去の記憶と向き合う物語、ふいに訪れる過去からの罪と対峙する瞬間を描いた物語で、本作はまさにそんな作品でした。出会うだけで、特別な喜びに満たされ、それが私にとって面白いものならば嬉しくなる。  幼い日から続く罪の記憶、そして新たに知る秘密の共有によって、とめどなく溜まっていく心の澱が淡々と丁寧に描写されて、その静かなトーンは変わることなく、苦い余韻を残して幕は閉じていく。  あぁ、好きだなぁ、と喜び嬉しくなった作品を、今回は紹介させていただきました。

5.0
  • 作品更新日:2019/12/20
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+純文学連載:5話完結

確かにあった、あの夏の日。

〈僕の目に見える十数色程度の世界も、安藤の目には様々な彩りに溢れているように見えるんだ。きっと、今目の前に広がる全てが、そう見えているんだ。〉  ネタバレなしの感想にはなりますが、ぜひ感想を読むよりも作品のほうを読んで、夏の郷愁に身を浸してきて欲しい、というのが感想者の本音です。そのあと気が向いたら感想も読んでもらえたら、なお嬉しい、というのも感想者の本音です。  その日、離島に住む小学生の和田隼人が埠頭で出会ったのは、アイスキャンディを一心不乱に舐め続ける河童だった。河童は自らを〈旅河童〉と名乗り、そのアイスキャンディは島の数少ない女の子のひとりである安藤チエから貰ったものらしく、彼女に対して無口で不愛想な印象を抱いていた隼人にとって、それは意外なことだった。  河童と未知との遭遇を果たしたあのひと夏の経験が、少年の心に変化を与えていく。青春ファンタジーの趣きが濃い、不可思議な雰囲気に満ちた作品ですが、新しいことを見聞きし、新たなものと出会うことで、いままでと違って見方で世界を見たり、凝り固まっていた価値観がほぐれ、狭かった視野が広がっていく、少年を〈成長〉へと繋げていくものは誰にでも起こりうる普遍的なもので、自分事として自身の心を作品に寄り添わせたくなるような作品になっています。  隼人とチエ、そして河童。ほほ笑ましいやり取りは心地よく、知らないはずの過去に、その身を浸すような郷愁を覚えてしまうのは、多くのひとが共有する青春の根っこが丁寧に描かれているからなのかもしれません。素敵な作品でした。

5.0
  • 作品更新日:2019/11/14
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+ファンタジー短編完結

白夜灯

 溜めこんだ太陽の熱を光と熱に戻し、〈私〉たち吹雪の島(スネーストルム)の民が厳しい冬を乗り越えるための必需品となっている不思議な珠を、土地の人間は「白夜灯」と呼んでいた。その魔道具「白夜灯」を点けると、ときおり夏の記憶が蘇ることがあるのだが、理由は王都の魔導士にも分からないらしい。〈私〉はその描き出された夏の記憶の中で、大好きなアルヴァという鷲獅子(グリフォン)と再会する。長く厳しい冬が続く島の、短い夏の日の記憶、婚約者に逃げられた女性と鷲獅子(グリフォン)との想い出と邂逅を描いた本作は、そんな導入からはじまります。  必要以上のネタバレは避けつつも、勘の良い方のためにネタバレフィルタを付けましたが、感想を読むより作品を読んでください。  言葉選びのひとつひとつに読む側に訴えかけてくる情感があって、美しさの中に静謐な哀しみを湛えたようなファンタジーで、細やかに描かれた語り手の心情を表す描写もとても印象的でした。  例えば語り手のユーリアが自分の陰口に花を咲かせている若い娘ふたりの立ち話を耳にした時に、相手を睨みつけるシーンがあるのですが、そのやりとりひとつとっても、淡々としているのに、やり取りの中に嫌なものが感じ取れるようになっていて、そういった細かい部分の積み重ねが、未知なる景色に他人事ではない実感を与えてくれるのかもしれません。 〈不意に湧いてきた問いかけに、私は答えることができない。夏に働くのは、冬に備えるため。冬を生き延びるのは、次の夏を迎えるため。  終わらない繰り返しには、何の意味があるんだろう?〉  という文章が途中に差し込まれるように、本作は幻想性のある奥行きもさることながら、自身のアイデンティティに悩む若者の、青春、成長の物語としても、とても楽しめる作品になっています。必要以上に後半の展開については触れませんが、幻想性の中に混じる人間の営みが持つ普遍的な〈残酷さ〉、というひとつの体験を通して、自分なりの答え、これからどうするかを強く決意する場面には、成長物語として心打たれてしまいました。

5.0
  • 作品更新日:2020/8/18
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+ホラー連載:9話完結

水切り

 異界の裂け目から差し伸べられた手に引かれるように、気付けば読み終えていました。  小説を読んでいて、どんな時に、〈しあわせ〉な感覚を得るでしょうか? それはもちろん読者それぞれによってまったく違う答えが返ってきて、それこそが小説の自由なわけですが、私は物語が言葉でできていることを実感させてくれる小説に出会った時に、そういう想いを抱く場合が多いように思います。小説は言葉でできている。実際に言葉にすれば当たり前のようにうつりますが、物語を読んでいる際中に、改めてその事実を実感する機会は、(すくなくとも私にとっては)そんなに頻繁にあるものではありません。まぁ何が言いたいか、というと、私にとって本作はそういう嬉しい気持ちを思わず抱いてしまうような作品だったわけです。  過去の後悔や罪悪感といった心情が混じるほの暗く複雑な心情に、静かな恐怖が重なります。淡々と怖さや哀しみ、不安が綴られる先に、切ない情景とかすかな光彩が見えて、その余韻に浸っていたくなる作品です。物語にとけこむその文章の佇まいがすごく好きで、それは物語の導入をここで紹介したところで、伝わるものではなく、伝える自信も私にはありません。  なので、こんな紹介文を読んでいる暇があるなら、ぜひ作品を読んでください。導入の文章の感触を心地よく感じたならば、言葉をたゆたう楽しみが、きっと待っているはずです。

5.0
  • 作品更新日:2020/11/22
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:10話完結

棘のない薔薇

〈「何が多様性だよ。この国ってぶっ壊れてるね。人と違ったらすぐに叩かれる。それでいて、個性を大事にしろとか矛盾しているんだよ」〉  ネタバレには配慮しますが、内容を知らずに読むかそうでないかで物語の印象というのも大きく変わってくる場合があるので、先入観を持ちたくない方はご注意ください。というか、こんな文章よりも作品のほうを読んでください。  ※一応、ネタバレフィルタは付けました。  良いですか?  もう一度、聞きますよ。  良いですね?  では……。 〈何か〉を追い求めた先で、繋がりの大切さを知っていく物語。読み終えた時、まず抱いたのはそんな感想でした。自分自身の個性を意識しながらも、その一方でその個性に空虚さを感じている語り手を主人公に、不思議な出会いを絡めて物語は進んでいきます。 〈結局、私は光になりたいだけだった。そして、真の神秘とは、快楽にまみれず、孤高を貫き、自らこそ光、と信じる人を指すことを知っている。〉  坂田陽奈の抱くこの感情は繊細さの表れであり、強烈な意思でもある。  誰にでも、と一般論にする気はないですが、自分は他とは違う、特別な何かになりたい、という想いを抱えて多感な時期を過ごしたひとは決してすくなくないと思います。それでもそのうちのほとんどはどこかで折り合いを付けながらその先を歩んでいくものなのかもしれません。だけど簡単に諦めを付けられるひとばかりではなく、主人公の陽奈も同様に自身の人生、その歩み方に深い悩みを抱えていました。  物語はそんな陽奈が二十歳の誕生日を迎えた日の不思議な出会いとともにはじまり、そしてその出会いの相手であり、自らを堕天使と名乗る柊は殺人事件の容疑者として現在逃走中だと知り……。  幻想的なタッチで紡がれる美しいヴィジョンはどこかほの暗くも、心地良い。〈何か〉を追い求めた先で不思議な体験があり、そして自身にとっての繋がりの大切さを知っていく。その心情の変化を成長と捉えるかどうかは読むひとによって違うとは思いますが、ただそこには確かに語り手の変わりゆく心があります。痛みを伴った、切なさが琴線に触れる作品でした。

5.0
  • 作品更新日:2021/4/19
  • 投稿日:2021/11/14
ノベルアップ+純文学短編完結

絵画の記憶

〈その男はついに妻のことを忘れた。〉  そんな冒頭の一文にはドライさがあり、どきり、とする。思えば記憶というのは不思議なものだ。絶対に忘れないと頑なに信じた記憶は意外にも簡単に消えてしまうし、あるいはどうでもいい、と片隅に追いやっていた記憶がふいによみがえることもある。記憶という概念は恐ろしく曖昧だが、多くのひとにとって何よりも大切なものになっている。だからこそ〈記憶〉というテーマが扱われた物語は、多くのひとの心を惹き付けるのかもしれない。  ……ということで、本作も同様に、記憶を失いつつある画家の男を描いた掌編です。これだけ短いと内容に踏み込まずに感想を書くのが難しいので、ネタバレフィルタを付けましたが、味わいのある文章の読み心地の良さだけでなく、構成のうまさが印象的な作品でもあるので、ぜひ作品のほうを先に読んでもらえたら嬉しいです。  いいですか?  この作品には、〈絵画〉と〈手紙〉が重要な要素として登場します。〈手紙〉は本心を自らの口からは明かさなかった男の本心を知る手がかりとして、〈絵画〉はかつてそうではなかったけれど、彼にとってはある時期からもうひとつの意味を持ちだすようになります。  心も記憶も失われていくのは怖い。それでもそこに確かなものを残すために、何かを残していく。男はその記録として、自身の職業として描いてきた〈絵画〉を選ぶ。  読み終えた時、 〈あれは春のことでした。画家が集まるパーティに参加した次の日から、夫は今までの抽象画とは全く別のものを描くようになりました。それは風景であったり、人物であったり、まるで日常を切り取ったような絵を描き始めたのです。〉  という道を選んだ男の気持ちを想像しながら、苦くも、切なく、静謐な余韻が残りました。

5.0
  • 作品更新日:2024/4/4
  • 投稿日:2021/11/14