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作者:加密列

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作:加密列

狼の仔

ーー何のご立派な使命も目的も無い。私達は、ただ生きていたかっただけーー 皇帝付きの暗殺者となる事を余儀なくされている先住民族、ナダッサ。彼らは意思を持たず、ただ命令に従うよう教育されていた。 その村の一つ、「牙」に住む少女は、「星の子」人間離れした能力を持つ生まれであった。 同じくナダッサ「翼」にすむ少年は、少女と同じ日に生まれ、やはり「星の子」であった。 その能力故か同年代の子どもとは上手く馴染めていなかった二人。 偶然出会った二人は、互いを無二の親友として認め合っていく。 だが、平穏な日々は少女の父が処刑された事、そこで少女がおこした出来事によって突然終わりを告げた。 生まれつき数奇な能力を背負っている二人はそれをきっかけに村を逃げ出す。少女は、少年と生き延び、己の仇を殺すために。少年は、少女と共に生き、少女が闇に堕ちないために。 人を殺し続けてもなお人であらんと足掻く彼らは、次第に自分達の過ごした環境の闇にも気づいていく。 意思を持たない、人を殺す事に何ら違和感を持たないよう教育されてきた自分たち。 その血を自ら恐る彼らは、それでも刃を振るう。 次々に放たれる刺客。黒幕は誰か?自分達はどうしてこんな生き方をしなければならないのか?自分達は幸せになる事が出来るのか? 闇の底から必死に幸せを掴みとろうともがく、二人の物語。

更新:2022/1/9

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