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作者:幕画ふぃん

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作:幕画ふぃん

凄惨たる魔王の黙示録〜目覚めると勇者になっていた魔王は、斯くして世界を救う。

「何故に貴様は私に刃を向ける?」 魔族を統べる凄惨たる魔王・テネブリス=ドゥクス=グラヴィオールは、勇者ルクルースに問う。魔族と人間、長きに渡る争いに雌雄を決する為に勇者ルクルースは、命を賭して一騎打ちという選択を選んだ。 実力の拮抗した両者の命運は、お互いの強大な一撃に託された。魔王と勇者、尋常ならざる魔力同士の衝突は、激しい閃光を生み出す。刹那、辺りはまばゆい光に包まれた。 その後、魔王テネブリスは見慣れぬ一室で目を覚ます。 一切の魔力を失っている事と、馴染みのない肉体の感覚に違和感を覚え、その場にあった姿見で自分の姿を確認すると、そこにはあの日、一騎打ちをした相手である勇者ルクルースの姿が映っていた。 理解できない状況が起こった矢先、魔族が現れたとの一報を耳に入れる。自身の身に起きている状況を知る為に、まずは魔族に接触しようとした魔王テネブリスは、勇者の仲間である魔法使いの女・アルキュミー、歴戦の剣士の男・フェルム、ハーフエルフの神官・クラルスと共に、魔族が現れたその場所へ向かった。 圧倒的な魔力を誇っていたかつての自分を失いつつ、脆弱な人間の肉体で激しい戦闘になりながら結果的に魔族を殺す事になる。その際に、かつての魔王としての凄惨たる魔力の一端を取り戻した可能性に気付く。 ――そして、魔族を殺すことによって、かつての魔王としての力を取り戻す事を画策するのであった。 失った絶対的な魔王の力、それを取り戻す為、凄惨たる魔王は勇者の姿をその身に写し、歩みを進める。 その行動が、いずれ世界を救う事になるとはまだ誰も知る由もない。 ――最凶魔王の黙示録、今ここに開闢す――。

更新:2021/7/3

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