学生時代、野暮ったい私を神のごとく支配していたあの子が、人魚になったと聞きました。 なので、気になった私は、水族館に行くことにしました。 夜デート。 あか抜けた社会人となっていた私は、イケメンで社会的地位もある申し分ない婚約者と腕を絡めつつ。 元は人間であったという加工済みの「人魚」や「人くらげ」のいる、首都のお洒落な水族館で。 「人魚ひめになりたい」とかつて言っていた、あの子がはたしてどうなっているのか、たしかめに行きます。 ……さんざん私の醜さを牛だ豚だと嗤ったあの子は、はたして、人魚となったいまもうつくしいのでしょうか?
更新:2018/6/22
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