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作者:淡雪こあめ

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作:淡雪こあめ

国王を回避するために兄上を王にします!

僕こと──オレア王国の第2王子クライスト・レッチーノ・オレアは数十年前に滅んだセイン王国のことを学んでいる時、突如として前世の記憶が蘇った。前世の自分が別世界で生きていたことそして何より女だったことに困惑したが今ではすっかり落ち着いている。 前世の記憶が朧気で現在の僕にそれほど影響が少ないため前世の人格に引っ張られることなく僕は僕のままだった。 さて影響が少ないとは言ったがないと言う訳では無い。前世の記憶によるとこの世界は乙女ゲームと呼ばれるものだそう。残念ながら前世の僕がそのゲームをやっていないようで断片的な内容しか分からなかった。しかし、これくらいで十分でもあった。 兄である第1王子が攻略対象の1人であり、主人公の顔は分からないがピンク頭。兄が婚約破棄をし、新たに主人公と婚約し王となりめでたしという風に終わるようだが現実ではありえない。 父は兄を廃嫡し僕を時期国王へと指名するだろう。それは嫌だ。心底嫌だ。僕のような初心で臆病者は家臣くらいが丁度いい。 僕の国王回避のため、国の崩壊を阻止するため兄の婚約破棄を阻止して兄を王にするしかない。 兄を王にするために僕は画策するのだが──。 ──国民は王太子を祝福し賢王となることが期待され確定した。逃げ場が無くなった瞬間である。 国王を回避するために兄上を王にします!

更新:2020/10/23

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作:淡雪こあめ

聖女じゃなくて、魔女なんだが

その日私は運悪く捕まってしまった。使い魔である白い狐ハウを探していたところ王国がやっていた魔力測定に引っかかり魔法学校へ強制入学させられた。 学校生活を過ごしながら魔法を使いながら使い魔のハウを探すがなかなか見つからない。捜索範囲を広げるため王都全土に魔力を浸透したら捕まりかけたので暫く大人しくすると誓った。 ──はずが、何故周りは私を聖女として担ぎ第二王子の婚約者としても内定してしまった! しかも第二王子は下半身で生きている! そこに編入生が現れて下半身王子と親密に!編入生の記憶を覗けば異世界転生とやらをしているようだった。しかも、それを手引きしたのは同族。彼女の記憶の中にハウの存在が居たため私は喜んで彼女の望み通り虐めを開始した。 ──ついに運命の日。第二王子は私を断罪する。しかし、第一王子とその婚約者は待ったをかけ──? 真の聖女である編入生はレイナついにハウを呼んだ。そしてそのハウは私を見て驚く。 レイナの虚しい悲鳴は掻き消され、ただ会場は呆然とし未だに何が起こったのか理解に苦しんだ。 私は聖女じゃなくて魔女だが?

更新:2020/7/19

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作:淡雪こあめ

自由が羨ましい

貴族に生まれた子供に自由は存在しない。平民のような伸び伸びとした環境は存在しない。交流関係も、結婚も全て親の意のまま。 貴族が羨ましいと思う人間は金と地位しか見ていないのだろう。蓋を開ければそれは牢獄だ。自由行動などなく、そこに自分の意思も存在していない。 家よりも学園の方が窮屈で制限がつく。学園は小さな社交場だ。一息することなど出来ない。学びの館と謳っては居るがそもそもそんな必要は無いのだ。どこの家も家庭教師が存在する。この学園で学べることは全てここに来る前に学び終えているのだ。 自分を守るために誰かを犠牲にする。社交界がスキャンダルに飢えているのは自分以外の人間を蹴り落とし、自分を守りたいからだ。 関心を誘導している。そうすれば社交界で自分が守れるのだから。そうでないと自分を守れない 貴族が通う学園は今、面白いイベントが催されていた。とある男爵令嬢が高位貴族を狙っているというスキャンダルだらけのイベント。 そして──王子は落ちた。 その事実に私は身震いした。どう考えてももう遅いのかもしれない。この時点で私の運命はもう──。 現実は甘くはない。保見のための行動は全て裏目に出てしまった。まるで私が婚約者を愛しているかのように写ったのだろう。 そして卒業パーティーの直前、婚約者はついにその言葉を言い放ったのだ。 存在価値が下がった娘に親は一体どれだけの情けをくれるのだろうか。 卒業パーティーが終わって、親に呼び出されぶん殴られた。 怒声を浴びられ、ボロ雑巾のように蹴られる。 勘当され、ついに平民となった。 何もかも失った。でも、今はとても自由だ。自由なんだ。そう認識すればとても心が軽くなった。 もしも、もしも、来世なんてものが存在するのであれば──貴族ではなく、平民に。

更新:2020/7/28

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