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作:雪路 歩

わたしはここにいる

 これはわたしたちの世界が、  地球温暖化に立ち向かわずにいて、  未知の隕石群の襲来によって崩壊した、  そんな偶然が重なってしまった、  少しだけ未来の話である。  前代未聞の隕石群の襲来から逃れる為、宇宙へと打ち上げられた八機の宇宙船があった。その船の名前は《HOPE》――希望。その内の八番目の機体こそが我が国の船であった。  わたしは隕石群が降り注ぎ始めた運命の日、最後の宇宙船が空高く飛び行くのを、一人、山の上から見送った……  地球に取り残された人類の生き残りである主人公の少女“わたし”は、山の上にある父の遺した観測所で、一人、畑を耕しながら、見知らぬ生存者の《彼》とチャットをしながら、日々、何の目的も無く、惰性の様に生き、暮らしていた。  そんなわたしに対し、画面向こうの彼は次から次へと“するべき事”を与えてくれた。  その“するべき事”に対し、わたしは初めこそ乗り気ではなかったものの、“何か”を頑張ろうとしている彼の言葉が、かつての父の言葉と重なるのだった。そんな彼の言葉を、わたしはどうしても拒むことができなかった。いつしか彼に感化され、彼の提案である“風力発電機の修理”に前向きに取り組むようになっていた。  顔も見知らぬ彼と交流を重ねて行く内に、わたしは以前の精気をすっかり取り戻していたのだった。  そんなある日のこと、彼はわたしに対し、驚愕の真実を打ち明ける。  その瞬間、わたしのいた箱庭ほどの小さな世界は一変したのだった――  ※この作品は『トータル・メガ‐ミッション』とリンクしています。先ずはこの作品から読むことをお勧めします。    ※この話は別サイトのアットノベルスにも同作者名で投稿している『雪路 歩』の作品です。  ※この作品はチャット部分があるため“横読み推奨”です。

更新:2012/11/21

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