伝説の氷雪王を封じるための、十年に一度の大祭の日。 皇妃、瑞花と、皇帝の息子、紫檀が失踪。大地が鳴動し、赤い星が降った。 それから十年。 蘇芳の国では、魔の眷属が活発に動き出していた。 大祭をひかえた、夜神楽の日に、行方不明だった紫檀が、明らかな妖魔となって現れる。 紫檀の弟、緋鋭の命を受け、東雲誠治郎は、十年前の二人の失踪の謎を追いはじめる。 《夜語り》企画参加作品です。©秋月忍(2018/12/8) ※なろう、カクヨムの連載です。
更新:2018/12/19
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それは対照的な身なりと言うべきだった。八十にならんとする老人は粗末な木綿の裃を身に纏い、それに対して二十歳そこそこの若殿と思しき男は絹の羽織など身に着けている。しかもそれは若殿ばかりでなく、彼に従う近習達も残らずそうした豪奢とも言える格好をしていた。身なりだけを見れば、この老人がいかにも身分賤しい人間に見える所だ。
更新:2014/1/12
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文久三年二月四日、その日伝通院は黒山の人だかりとなった。『浪士組』への志願者が招集されたからだ。その数は二百人を優に超える大規模なもので、しかも身分を問わぬばかりか犯罪者ですら受け入れるという組織だった事から、粗末な服装のごろつき紛いの人種も少なくなかった。 そんな中でも一際目立つ男が居た。年の頃三十五、六。色白だがその背は高く、かなりの目方がある厚い肉体だが、肥えているという印象は感じさせない。顔立ちも精悍そのもので、豪傑の風格を備えていた。 中でも彼の印象を際立たせるのが、その手に固く握られた一振りの鉄扇だ。それは実に三百匁にもなる代物で『盡忠報國之士 芹沢鴨』と刻まれている。
更新:2014/1/12
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一目で敗軍と分かる一団だった。島津十字の紋が書かれた旗の多くは鉄砲などで穴が開き、集団の中で傷を負っていない者はごく僅か。何より人数そのものが敗勢を象徴している。その数たったの八十余人。それを軍勢に含めてよいものか判断に困る所だ。
更新:2014/1/12
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将軍徳川秀忠が上洛の途上、尾張国熱田に逗留した折。上様御成りという事で在地の武士達はこぞって彼を出迎えた。彼らの中には嘗ての徳川直参も含まれており、秀忠や伴の者にとっても懐かしい顔は少なくなかった。 その出迎えた者の中に、一人の老人が居た。良く言えば素朴、悪く言えば目立たぬ風貌の老人だ。だがよくよく見るとその肉体には数え切れないほどの傷跡が見え隠れしている。彼が嘗て歴戦の古兵だった証だ。
更新:2014/1/12
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腰に刀を差し木刀を手に携えた武芸者と思しき男の周りには、今日も黒山の人だかりが出来ていた。門弟と思しき男達はそれぞれ『武芸天下一』だの『天下無双』だの大書された旗を誇示するように持ち、それも集客に一定の効果を持っているように思える。今日などは桟敷を用意しなければならないほどだ。
更新:2014/1/12
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今回護衛士であるガウエンが請け負った依頼は、アトラン王国内にある港湾都市アレッサルから、王都アマラスまで商隊の護衛の任。だがそれは、その途上において、かつてガウエンが生まれ育った地、地方都市トラッシュへと立ち寄る事となってしまった。図らずも十年振りに訪れたトラッシュで、ガウエンを待ち受けていたものとは……。 「ユラに何かあった時は、僕が必ず駆け付け助ける!」 幼き頃の約定を果たすため、ガウエンは剣を振るう。その果てに、ガウエンの胸に去来するものとは……。 過去の悲しき想いを断ち斬り、ガウエンの秘剣が唸り悪を絶つ。 ここに、本格ファンタジーが遂に登場。 なろう読者よ、刮目して見るべし! ※尚、この作品は作者の趣味全開の、ファンタジーの名を借りた剣豪小説です。この手の話が苦手な方はスルーして下さい。
更新:2017/1/13
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