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作:悠木 源基

三度目の正直のはずだったのに、ループしたヒロイン(自称)は墓穴を掘る!

「カスタリア=ベルギル侯爵令嬢、私はそなたとの婚約をここで破棄し、へラリー令嬢と新たに婚約することを発表する」    学園の卒業パーティーで第三王子のカナディークがこう宣言した。  破棄されることをずっと予想していたカスタリアは素直にそれを受け入れて、急いで家へ戻ろうとした。  何故なら卒業の日に自分が強盗犯に殺される運命を知っていたので、修道院へ入るためにさっさと荷物をまとめようと思っていたのだ。  それなのにアクシデントが起こり、帰宅が遅くなって強盗と遭遇してしまった。慌てて防御しようとしたのだが、犯人が狙っていたのは妹だった。  とっさに妹を庇って背中にナイフを突き立てられたカスタリアは、妹に主犯と思われる人物の名前を告げて事切れた。  実はカスタリアはやり直しの人生を送っていて、前回も強盗犯に刺されて死んでいたのだ。  今度こそ愛する殿下と幸せな結婚をしたいと願っていた。それなのに、失敗を恐れて極端な行動をとったせいで、婚約者の王子に嫌われ、やり直しの人生の方が、過去よりもむしろ悲惨だった。  望んだわけじゃないのに何故ループしたの? もうこんな思いをするのは嫌! そう思ったカスタリアだったが……

更新:2022/5/20

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作:悠木 源基

ちょっと待って、殿下! その婚約破棄はまだ早い!

私、子爵令嬢であるアスタリア=ショートックは子爵家の王宮侍女である。  私は辺境の地に生まれ、物心ついた頃から兄弟や従兄弟達、そして辺境騎士の子供達に揉まれて遊び、男女、野猿だと揶揄されてきた。  十三の年、私は名目上侍女見習いとして王都にある王宮へ送られた。しかし実際はアルフレッド王子殿下の見習い護衛騎士であり、王宮だけでなく、学園にも学生として潜り込んで殿下をお守りする任務を命じられた。  それから五年後、学園の卒業が間近に迫った頃、王子の婚約者のデイジー嬢をお守りしようとしていたのに、情けないことに自分が階段から落ちてしまった。  そして気を失っていた私が覚醒した時、突然前世の記憶が蘇り、今の状態が、前世のアスカ時代のアリマノミコの悲劇に酷似していることに気付いた。  私が突き落とされたことに烈火のごとく怒った殿下は、犯人は私に嫉妬した自分の婚約者だと思い込み、彼女に婚約破棄を告げると言い出した。  私は慌ててそれを止めた。何故なら私を突き落としたのは、殿下の婚約者ではなくて、殿下の初恋の想い人の聖女だったからだ……      天然気味の転生者で、スキル持ち女騎士であるヒロインが人間関係ドロドロの王宮の中で、主の王子を必死に守ろうとする話。

更新:2022/1/14

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