静寂の王宮、謁見の間。 『黒曜』と呼ばれた魔女は、その階の上に王を見仰ぎ、静かに問う。 「紅き王座を、そこまでして望む意味は?」 辺境の魔女、黒曜。彼女は嘗て、国の神殿に『聖女』として幽閉されかけた経験を持つ魔女の末席だった。 とある変人の遺志を継ぎ、魔女として生きた日々。それを終えるべく――とうとうその重い腰を上げた彼女は、静寂の王宮でかつての幼子――現在は『覇王』と称される青年との邂逅を果たす。 「外見が変わらないのは、魔の血の影響に依ります。……とりあえず、重いので退いてもらえませんか?」 「それは駄目。魔女を安易に離すなんて、それこそ愚者のする行為だから」 これは二人の魔女と、地を統べる覇王、それに巻き込まれた第三者(魔術師)を巡る一連の騒動と、過去譚、『彼女』の死の顛末を描いた物語である。
更新:2015/8/2
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クレイシル侯爵家の令嬢アリシア。 生まれてこの方、人並みの生活を送れずに怠惰、睡眠、無関心を貫いてきた彼女に訪れた一つの災難は何やら全体的に黒々として、翼があり、それなりに端整な面差しをしていた。 「アリシア嬢、どうか契約を」 「……今は、とにかく寝かせて」 これは彼女が寝台を降り、一歩を踏み出すまでのお話。
更新:2017/1/1
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我が家のチロルさんに、どうやら春が訪れたようです。 庭先のゴロゴロに始まって。 弟の良き相棒を襲った突然の悲劇まで。 とうとう今日は、臨時の家族会議(両親不在)です。 「竜の春だね」 「うん、竜の春だよ」 そんな問答から始まった、ある晴れた一日。 エイム家を巡る日常譚。
更新:2014/8/5
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私の弟には、かつて兄に憧れていた黒歴史があります。 五年前、冬の月の夕刻。 帰宅した弟が、誇らしげに姉に見せたもの。 「リズ姉!!見てこれ。飛竜の卵だよ。森で見つけたんだ!!」 「…………(うん、知ってる)」 ……弟よ、これは冗談でも笑えない。 そんな少女を巡る過去譚。
更新:2014/6/23
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穏やかな日差しの下、生まれて初めての旅に出ることにしました。 「姉さん……その荷物は、何?」 「うん、二日分のお弁当と保存食」 そんな姉弟のやり取りから始まった、運命の一日。 山積みのランチボックスをチロルさんの背に乗せて。 エイム家の三人が目指す先は-------魔境の城。 エイム家を巡る日常譚、これにて終章。
更新:2014/9/28
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少女の名は、メリア・オ―ディス。 オ―ディス伯爵家の次女。 絶世の美貌を誇るわけでもなく、気まぐれに寵愛を賜っていた身分でもなく。後宮の片隅でひっそりと生きていた十六歳の少女。 それが何の因果か、後宮を巡る策謀の果てに命を落とすこととなった悲運の持ち主である。 「おかしいなぁ・・・佳人薄命とは程遠いのだけれど」 そんな少女の呟きが今日も後宮に響く(けれども誰にも聞こえない)。 果ては何の因果によるものか、幽霊として舞い戻った(?)少女と家族の絆とそれに巻き込まれる宰相(霊感あり)によるプロローグ的な何か。
更新:2014/7/1
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少女カルーア・リルコットはその朝、絶望を味わった。幼馴染から届けられた早文。その内容に。「うん、やはり他力本願は駄目だね」自らの甘さを省み、少女は荷物を纏める。そう――全ては逃亡の為。「めくるめく官能世界とか、御免被る」見た目コマドリ(その実、武闘派)少女の逃亡劇とそんな少女を追走する冷血勇者(少女以外は路傍の石認識)が繰り広げる悲喜劇。合間に観光も満喫しつつ、少女は自由を求めて今日もせっせと歩き続ける。※基本的に少女の周囲に恋愛フラグは立ちません。当人の資質+後方の人物がことごとく葬り去る=何一つ手元には残らない方式。
更新:2020/10/30
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私の兄には、放浪癖があります。 その為に騎士団も辞めて、フリーの猟師を自称する兄が帰ってきました。 「……おかえり、兄さん」 「ただいま、リズ。今日はオオカミ鍋だ!!」 …………兄さん、これ私にはオオカミに見えないのだけれど。 そんな少女を巡る日常譚。
更新:2014/6/18
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少女の名は、メリア・オーディス。 オーディス伯爵家の次女。 絶世の美貌を誇るわけでもなく。 気紛れに寵愛を賜っていた身分でもなく。 後宮の片隅でひっそりと生きていた十六歳の少女。 後宮を巡る策謀の果てに命を落とすことになった少女は今日も呟く(けれどもやはり誰にも聞こえない…) 「ペンより重いものは持てませんわ……」 何の因果か幽霊として舞い戻った(?)少女と家族の絆とそれに巻き込まれる宰相(霊感あり)による物語。 ※短編「佳人薄命とは言いますが、私はそれに当たらないと思うのです」のシリーズ作品です。 第一話は短編の再掲載になります。 ※5/3電操出版【電操ノベルス】様より、「薄命令嬢の連綴譚」(タイトル変更しております)電子書籍化致しました。
更新:2016/8/1
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