「あなたも英雄になってみませんか?」 そんな宣伝文句を真に受けたわけではないが、日々の生活にうんざりしていた二宮渋壱は、とあるミステリーツアーに参加する。 船に揺られ、到着したのは「阿毘須(アビス)」と呼ばれるエリア。 貸し出された武器を自由に使い、現れるモンスターを倒してストレスを発散する、というのがツアーの内容だ。奥へ進んでもいいし、波止場でくつろいでいてもいい。船が迎えに来るのは三十日後。 はじめは誰もが軽い気持ちで武器を手にとった。 殺るだけ殺って日頃の鬱憤を晴らすのだと。 しかし奥へ進み、参加者たちは戸惑った。遭遇したモンスターは、なぜか人の形をしていた。
更新:2019/10/8
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すべては偶然から始まった。 「あなたには特別な能力があります」 ある日、男のもとへ現れた老紳士が告げた。 それは死者の能力を吸収する能力。 しかし使い道がなかった。 能力者たちの組織へ案内されたものの、特別なことをできないのは自分だけだった。 特別なようで、特別でない。 やがて老紳士が体調を崩して入院し、見舞いに行っていた男の目の前で死亡した。 男は能力を手に入れた。 それは能力者を探知する能力。 世界が少し違って見えた。 街へ繰り出した。 たくさんの能力者がいた。 彼らが死ねば、もっとたくさんの能力が手に入る。そのことに気づいた男は、さらに街を徘徊するようになった。 能力は増えていった。 際限なく。 組織も異変に気付き始めた。 もう、あとへは引けなくなっていた。
更新:2020/8/25
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現世と幽世の狭間に存在する「無盡原(ムジンハラ)」。 かの地にて、人知れずゴーストを打ち払う役がある。 才を見込まれ、役に任じられた冬木一は、しかしまったくやる気になれなかった。 もしゴーストが現世へ到達すれば、人へ災いを為す。 だが、だからなんだというのか。 滅ぶのが世界の選択であるなら、流れに任せるのが摂理というもの。 他の仲間たちが戦いを選ぶ中、冬木だけは傍観を続けた。 案内役の鬼司(おにつかさ)は多くを語らない。 活躍すれば、可能な限りの望みをひとつ叶えるという。 まるでお伽噺だ。 こんな話には、いつだって裏がある。 冬木は鬼司の真意を探るべく、傍観に徹した。 世界のことはどうでもいい。 だが謎があるなら暴いてみたくなる。
更新:2021/12/8
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自称ご当地ヒーロー「サウザンド・ソルジャー」こと田中正義は、昼飯のチャーハンを噴き出した。 テレビの中で「正義のヒーロー」っぽいヤツがケンカをしているではないか。 のみならず、そいつは容赦なく街を巻き込んでいる。 あってはならない光景だ。 こんなのはヒーローではない。 ただの「破壊者」だ。 一刻も早く排除せねばならない。 そして自分こそが真のヒーローであることを宣言するのだ。 チャーハンを食っている場合ではない。 田中正義は自作のスーツに着替え、家を飛び出した。 バイトはバックレてもいい。 誰が真のヒーローなのか、そろそろハッキリさせねばならない。 正義の行使者たるヒーローは……ヒーローは自分だけでいい。
更新:2020/9/21
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