セイラムは、美しい少女だった。 けれども、すらりと伸びた背筋に、長い黒髪の彼女を美しい女ではなく美しい男だと思う者達も多い。 そんなセイラムは、謎めいた友人のヴィネアに微かに心を揺らしながらも、自分の魂の前歴となる美しい男にずっと叶わない恋をしていた。 しかし、ある事件を境にセイラムは、鳥と呼ばれる翼を持つ者達に追われる身となってしまう。 ずっと友人だった美しい男は何者で、出会った騎士はどこから来たのか。 その秘密が繋がる写本とは何なのか。 写本を蒐集する高貴な獣達が、誰にも知られずに密やかに生きる世界。 これは、姿を消した美しい竜を巡る、一人の少女とその少女を愛した困った生き物達の物語。
更新:2019/7/14
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イルベルタは、詩篇の庭園に住む魔法使いだ。 ある日、陰気な様子から夜の声と呼ばれる魔法使いが、どこかの戦場から移住してきた。 誰もが才を認める魔法使いだったイルベルタは、一つの仕事を切っ掛けにして夜の声に助けられ、その日以降、恋をしたイルベルタはすっかり魔法が使えなくなってしまった。 ※後日、別視点を上げるかもしれません。
更新:2021/11/5
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雪深い森で目を覚ましたネアは、迷い込んだ物語のあわいの中で美しい魔物に出会う。 本に記された物語が終われば、元の場所に帰れると言うけれど、ずっと一人ぼっちだったネアにとって、偽物の契約を交わした老獪で優しい魔物と過ごす日々は、初めて手にした幸福な時間だった。 物語が終われば二度と会えなくなるこの魔物には、帰りを待つ人がいるらしい。 寂しさを隠して大切な魔物を家に帰してあげようと奮闘するネアと、ネアが大好きな困った魔物が、不思議な魔術と人ならざる者達に溢れる、美しい雪のウィームで過ごす数日間の物語。
更新:2019/8/17
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古くからの名家であるアシュレイ家は、音楽の才と美貌に恵まれる代わりに、成人後に音楽を生業とせず、音楽から離れるとむごい死を遂げるという呪いに悩まされていた。 アシュレイ家の最後の子供となったサラは、叔母と姉の葬儀の日に、隣のジョーンズワース家の次男、アーサーに出会う。 庭で一人で泣いていた自分に声をかけてくれたアーサーはいつも、見えないものを見るような不思議な眼差しで世界を見ていた。 「僕の一族もね、百年ものの呪いにかけられているんだよ」 そう微笑んだアーサーが、まるで呪いの成就を望んでいるように見えて、サラは、アシュレイ家の呪いに捕まるまでの残された時間をかけて、危なっかしい彼をこちら側に引き止める為に奮闘を始めた。 これは、ジョーンズワースの魔術師と呼ばれたアーサーと、そんなアーサーに恋をしたサラの物語。
更新:2019/6/28
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その森の奥には、祝福を与えた妖精との約束を破り、滅ぼされた王国があった。 その国の最後の子供となったアンディエールは、婚約者である妖精の王子が成人する日に、お祝いの晩餐として贄になる事が決められている。 そんなアンディエールの手には、偶然手に入れた、特別な祝福を授かった一本のナイフがある。 けれども、そのナイフを使おうとした夏至祭の夜に、アンディエールの噂を聞いた一人の美しい妖精が部屋にやって来た。 これは、妖精達に育てられ、誰からの愛も得られなかった一人ぼっちの王女の復讐の作法と、愛情の形を知らない孤独な妖精の王様の物語。
更新:2020/7/31
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魔物や妖精、竜や精霊が当たり前のように隣人として暮らす世界。 唯一魔術を身に持たずに生まれてくる短命の人間の契約し、使い魔となったアルテア。 彼のご主人様は、魔術可動域は現在、九。 この世界では自力で洗濯も出来ない、飛蝗と土筆と同レベルのとても残念な人間である。 そんな人間をこよなく大事にする、魔物の第三席、選択を司る魔物の失踪までの経緯を紐解く物語です。 こちらは、完結済みの小説、「薬の魔物の解雇理由」の完結記念企画の投票による物語となります。 初めての方にもある程度は読める構成にしてありますが、本編を読んでからのご拝読をおすすめしますこと、ご容赦下さいませ。
更新:2019/1/28
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その夜、リーフェットは針の魔女として処刑台に上げられていた。家族からは冷遇され続け、婚約者には利用された。おまけに、ここでリーフェットを殺すのは初恋の人だという。 あんまりな運命に、従順たれと教え込まれてきたリーフェットもとうとう決心する。 死んで堪るものか。絶対にここから逃げ出し、今度こそ幸せになってみせると。 (……でも私、子供になっていない?!) これは、いつの間にか幼女になっていて愕然とするリーフェットと、針の魔女を追いかけて来た筈なのに、どうして保護者になったのかなと途方に暮れている王様の、どちらが相手をたぶらかすかの苛烈な戦いのお話。 そして、ぽんこつ気味な刺繍魔術と、もしかしたら王様の命がかかっているかもしれない美味しいタルトのお話です! 11/19:番外編2本追加しました
更新:2021/11/19
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王女の恋の成就に華やぐ国の片隅で、アンティは、最後の夜を牢獄で過ごしていた。 アンティを断頭台に送るのは、この国の信仰の対象である美しい冬星の竜の王。 そんな彼の不興を買い処刑台に送られるアンティとは違い、誰からも愛される王女はその氷の心を溶かしたという。 運命の不公平さにむしゃくしゃしていたアンティが迷い込んだのは、見知らぬ国。 そしてそこには、一介の騎士に身を落とした冬星の竜がいた。 これは、形と場所を変えて繰り返す運命にアンティが頑張って抗ったり、上手くいかないあれこれにちょっとうんざりして、美味しいお肉を食べることに夢中になったりする物語です。 序+五話程で完結しました!
更新:2020/3/23
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幼い頃に婚約破棄はされてしまったものの、それはお相手の家の事情から。 きっといつかは自分も幸せになれると信じて、なけなしのお金で準備を整え、伴侶探す為に社交界に上がった貧乏男爵家の娘レルメーレ。 しかし、どうやらそれは甘い目算だったらしい。 どれだけ努力しても、なぜだかレルメーレを選んでくれる男性が現れない。 おまけに、このシーズンの内に結婚相手を見付けなければいけないのに、結ばれた恋人達の祝福をする為に訪れた、国賓である美しい妖精の王子に恋をしてしまったのは大きな誤算であった。 これは、精一杯頑張ったけれど結婚市場では不人気だった花の魔術を持つレルメーレと、そんなレルメーレの長所に心を留めた、通りすがりの美しい妖精の王子のお話。
更新:2020/7/24
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