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作:美杉。

悪役令嬢の涙。好きな人を守るのためならば、私は悪役でも構いません。

  父と母が事故で亡くなり、叔父たちの元で慎ましく生きてきたティア。しかし、学園の夏休みに一日早く帰宅すると、父たちの死が叔父たちによって計画されたものだと知ってしまう。  彼らは、爵位とそれに伴うお金目的のために、盗賊にティアの父たちの乗る馬車を盗賊に襲わせたのだ。公爵家の長男であるカイルとの婚約があるために、危害を加えられなかったティア。ただ二人の口から、不吉な第二の計画を聞いてしまう。それはティアがカイルの元へ嫁いだ後、同じ手口で今度はカイルを殺害するというものだった。  大好きなカイルを守るために、ティアは二人の幼馴染でもあるリーリエをいじめ、自分が悪役令嬢になることで円満に婚約破棄をしてもらおうと決意する。カイルの性格ならば、リーリエのことをきっと助けてくれると信じて。しかし、したこともないいじめに戸惑い、悪役になろうとすればするほどティアの心が泣き叫んだ。  それでもカイルを守り、リーリエと幸せになってもらうにはこれしか方法が思い付かなかったのだ。やっとの思いで断罪を迎えると、閉じ込めておくように言われた部屋で、一人ティアは安堵の涙を流す。

更新:2021/3/12

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