清玄が巻き起こした騒動から二週間。 傷が癒えた夏織は、梅仕事をしながら悶々としていた。 なぜならば、勢い余って水明に告白したものの、いまだその返事を聞けていないからだ。 どうにもすれ違っているふたり。電波塔なんて建っていない幽世での連絡手段なんて、手紙くらいなものだ。文通を初めたふたりは、ようやく会える機会を確保する。 ナナシにオシャレをしてもらった夏織は、やっと水明と会えると心躍らせていたのだが――。 「うああああああああああああっ! やめろ白蔵主、落ち着け!」 「これが落ち着いていられるか。今すぐ貸本屋を畳むんだ、東雲!」 再び、幽世に大騒動が巻き起こるのだった。 日本三大狸を巻き込んだ、新たなる貸本屋の物語が、今はじまる。
更新:2021/3/26
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現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)の境目は曖昧だ。 ふとした瞬間に、あやかしが跋扈する隠世に迷い込んでしまうことがある。夏織は、そんな隠世に幼い頃に迷い込んでしまった稀人(まれびと)だ。 あやかしに育てられ、今は貸本屋を経営する養父の下で暮らしている。 そんな夏織の下に、ある日ひとりの青年が迷い込んできた。彼は祓い屋で、在る目的があって隠世にやってきたらしい――。 これは、人間でありながらあやかしの心を持つ夏織と、力を失い、道を見失った青年が、本を通じてあやかしたちと出会い、別れ、心を通い合わせ、癒やされていく物語。 マイクロマガジン社ことのは文庫より、第一巻好評発売中。 二章より、Web版も書籍に準じた設定になります。
更新:2019/10/4
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マイクロマガジン社ことのは文庫より1~2巻発売中。3巻、6/20発売! あやかしたちの棲む世界に冬が来た。 赤い赤い空の下、凍てつくような空気の中、あやかしたちは棲み家の中で春を待ちわびる。水明が加わり、以前よりも賑やかになった幽世も、このときばかりは眠るように静まりかえっている――。 いつもとは違う静かな雰囲気の中、それでも幽世の貸本屋は今日も本を求めるあやかしのため、忙しく働いている。 そんな中、新年を祝う幽世に必ず当たる予言をするという「くだん」が現れて――? *Pixcivコミックにてコミカライズも決定。
更新:2020/4/15
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――1920年。ワメリカ。 後に悪法といわれる「もふもふ禁止法」が発令された。 もふもふは犬の健康を害するという理由から、人々に犬をもふること禁止したのだ。 人々はもふもふ不足に喘ぎ、手の震え、慢性胃炎、下痢、不眠……様々な症状に襲われた。 それを解消するために生まれた、地下ドックカフェは本来の役割を忘れ、今は高級闇ワンコクラブと化している。 そんな暗黒の時代を変えるため、ひとりの男が立ち上がった。その男の名はチワワ好きのトニー! トニーは、もふもふを取り戻すことができるのか……!? *帰初心様とのツイッター上のやりとりで生まれたお話です。帰初心様に感謝を。 *この作品は、「もふ愛」企画参加作品です。 *なんちゃって禁酒時代のアメリカっぽいテイストです。
更新:2017/4/30
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「ねえ、勇者。あなたも食べない?」 輝かんばかりの美貌を持つ、魔王は勇者を今日も誘惑する。 勇者の前に供されるのは、かつて「ニホン」と呼ばれた滅びた国の料理を再現したものだ。 「断る。それを食べたが最後――魔王。お前の下僕にされるのだろう?」 今日も釣れない勇者に、魔王は艶然と微笑む。 魔王の目的は――そう、かつての「ニホン」のように、美味しいもので溢れる世界を作ること。 だから――…… 「私、人間界が欲しいの」 そんな、勇者を美味しいご飯で釣ろうと頑張る、魔王のお話。
更新:2017/3/30
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この世で一番醜くて、生まれてこなければよかったと言われた、化物。 愛を知らずに、孤独に耐えて生きてきて、さらに生贄に選ばれてしまった少年。 ――ふたりは出会うべくして、出会い。そして、不器用ながらも、お互いに惹かれていく。 化け物は、醜いと罵られた心を生贄に癒され、生贄は寂しく凍えていた心を、ふわふわで温かい羽毛を持つ化け物に慰められた。 「私が貴方の帰る場所になるわ」 「君は奇跡のように、僕の望むものをくれたね」 ――ずっと一緒に。共に生きていこう、そう誓ったふたりに、化物と生贄の残酷な運命が迫る。 *全12話。完結まで予約投稿済み *化物視点では、人間を当たり前のように食します。そういった表現が苦手なかたはご注意ください。 *この作品は、向日葵様主催の「世界の中心でもふもふ愛を叫ぶ」企画の参加作品です。
更新:2017/4/26
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