夜の市場。それは、いつかの時代のどこかの国、どこでもあってどこでもない場所。あらゆる人に会える場所。あらゆるものが手に入る場所。 それは誰にでも開かれている――夜の扉を開く鍵さえ持っていれば。 おばあ様のお屋敷に預けられた女の子、パット。 ほとんど会ったことのないおばあ様も、豪華だけれど静かすぎるお屋敷も、なんだか怖くて落ち着かない。 気の重い一夜になると思っていたけど――不思議な鍵が開いた扉の先には、見たこともない景色が広がっていた。
更新:2016/9/4
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リリー・メイは十二歳。租界の広いお屋敷で暮らしています。甘いお菓子や綺麗な絵本、優しいお兄様に囲まれて、楽しいばかりの毎日です。 でも、リリー・メイは可哀想な子なんだそうです。お屋敷に閉じ込められて、外のことも恋も知らないから。そんなことはないと思うのですが。だって、お兄様は恋は苦いものだと言うもの。それなら恋なんてしなくて良いのに。 外の世界へ踏み出したリリー・メイが学ぶのは、自分のこと、お兄様のこと、覚えていない両親のこと。どうしてお兄様は何も教えてくれないのか。どうしてリリー・メイの髪や瞳は他の人と全然違う色なのか。 そしてリリー・メイは知るのです。恋の苦さ、そして甘さを。 カクヨムにも投稿しています。
更新:2018/4/15
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没落した男爵家の令嬢は、爵位を狙う中流階級の男との結婚を押し付けられていた。そこに舞い込んだ、王太子の――表向きは侍女募集――本質は公妾募集の知らせ。令嬢は意に染まない結婚から逃れるため、王太子の公妾を目指して王都へと乗り込んだ。 一方、王子であり公爵でもある青年は、従弟の王太子に恋人を奪われ婚約破棄をされた過去を持ち、古傷を癒せぬまま独身を貫いていた。 各々の望む未来のために互いを利用しようと契約を結ぶ二人だったが、計算づくの関係もゆるやかに動きはじめる。 妥協と打算が大好きな苦労性の少女が、唯一の愛を手に入れるまで。そして、退屈に殺されそうな男が、一人の少女に生きる意味を見出すまでの擬似ヴィクトリアンロマンス。 ※フェアリーキス大賞 大賞受賞しました。書籍発売中です。
更新:2018/5/26
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