僕は忘れていた。ママが部屋を片付けずにいてくれたから。ルーシーが欠かさず毎日ここに来て、その日の事を話し続けてくれていたから。出来たことと出来なかったこと。伝えられなかったことと伝えられたこと。去り行くものと残されるもの。それは不可逆であるのだから、ただ安らかに眠れ。
更新:2013/2/2
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みっつ歳上の従兄は、魔法使いだった。不器用に、けれど心を込めて折り上げられた鶴の話。
更新:2013/1/31
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婚約破棄された姉のために、その妹が婚約者を殴りに行くだけの話。 もう遅いです。既にわたしの間合いのうちです。
更新:2020/12/25
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本作は『リア住怒りの鉄拳 ~仏の顔もサンドバッグ』(書籍名『ボーズ・ミーツ・ガール 住職は異世界で破戒する』)に特典として添えた短編公開用の連載となります。 ためにメインストーリーのネタばらしを含む場合があり、また時系列的に連続しない並びとなっています。 本編をご覧でない方は十全にお楽しみいただけない可能性があることをお含みおきください。 また、書籍に添付されたものより文字数が増えている話があります。 これは2400字前後という特典短編の字数制限に合わせるに当たり削除した描写の復元となりますことを、併せてご了承願います。 なお、本編は以下にて公開中です。 もしこれを機にご高覧賜れれば幸甚至極にございます。 https://ncode.syosetu.com/n7337dg/
更新:2021/10/17
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弟が泣き出したので、げんなりしながら襖を開けてベビーベッドのある隣室を覗いた。するとそこには鬼が居た。「これ、くれよ。いらないんだろ。なら、もらってくからさ。いいだろ。くれよ」 ぎょろぎょろと凶悪な目を輝かせ、乱杭の牙を剥き出して、鬼はそう言って笑った。
更新:2013/2/2
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傘をもたげて夜を透かすと、もこもこと蠢く何か黒いものが、水を蹴立て川を遡ってくるところだった。川面を覆うその何かは、まるで人の毛髪のように見えた。ぐっしょりと重く濡れておどろに絡み合い、毛皮めいた体を為している。
更新:2013/2/1
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私たち三人が訪れたのは、山奥に打ち捨てられた蔵でした。そこに蟠っていたのは異形の頭像たちと、闇の奥で渦を巻くものでした。その場は幸運にも逃げ延びる事ができましたけれど、それで終わりではありませんでした。それで終わってはくれませんでした。私たちはもうその時に、逃れようのない渦に巻き込まれてしまっていたのです。ですから一計を案じました。一人分の時間が、長くならないようにはからいました。そのシステムはぐるぐると、回り巡っていく事でしょう。ああ、でも本当は、本当は私は嫌なのです。私はああなりたくはないのです。あんなふうにぐるぐる回りたくなんてないのです。嫌です。嫌です。嫌です。誰か、助けてください。誰か──。アルファポリス第6回ホラー小説大賞、最終候補作。
更新:2013/3/31
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