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作:じじぃになりつつあるもの

ガラクタジジィは今日も拾う

VRが大頭して、数々のシステムが作られた。 医療、軍事はもちろんのこと、ゲームの分野にも早い段階で適用され、それから十数年。 VRMMO最古といわれているゲームが存在している。 最古にして最大、当然ながらいくつもの伝説といえるものを残している。 とある社員が悪ふざけでおこなったデスゲーム事件。 RMTによる詐欺を行った為発覚しニュースとなったとある集団の訴訟問題。 ハラスメント行為をシステム的に問題なく行う方法のハウツー本を出して荒稼ぎした某氏とネット民の戦い。 VR中かどうかを調査するシステムを作り出しVRをしていない家族に逮捕された強盗のせいでVRの是非を問う世間。 そしてまた、一つの伝説が闊歩する。 それは一人のキャラクターだった。 極端に猫背で、逆に背中が盛り上がっており、遠目には小柄に見えた。 実際に背を伸ばせば180cmには届くだろう、それを象徴するように、両手は長い。 前をみず、常に下を向いており、手も地面をまさぐっている。 一言で表すなら、手の長いせむし男といったところだろうか。 そう、このキャラクターは男性だ。 そして初見では信じられないことに、プレイヤーキャラクターだ。 キャラメイキングでこのような容姿にするのは、そうそう居ないと思うが、絶対ではない。 しかし、おそらく最初はまともな容姿だったのだろう。 このゲームはキャラクターの容姿を行動に合わせたものに変えていくようになっている。 ゲーム的にはその方が良いことがおおい。 盾を使うタンクなどは、ガタイが大きくなり周囲を守りやすくなるし、アタッカーはタイプに合わせた体型になり動きやすくなる。 では、彼は何をしていてこうなったのだろうか。 彼は、ある意味有名だ。 彼は、他にない職業についているが、使えない職業らしい。 彼は、戦闘能力がほぼ皆無らしい。 彼は、NPCにも嫌われているそうだ。 彼は、初期からゲームを続けているという。 そして、彼は、今日も我が道を歩く。 ※誤字報告ありがとうございます、とても助かります。

更新:2022/8/6

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