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作:遊座

勇者アルナルドの卑劣な弁明

 勇者アルナルドは卑劣漢だ。  王都の酒場で聞こえる彼の評判は良くない。  もともとはコソ泥だったのに何かの間違いで法と雷を司る女神クレスセンシア様から「操雷」の恩寵を授かっただけだ、と。  街の住人の家に勝手にあがりこんで、薬草を盗んでいった、と。  それだけではなく「勇者」の地位を利用して不正な密輸を行っている、と。  「勇者」の威光を利用して多くの女性を囲っている、と。  実は魔族と裏取引をしているために戦果をあげているのだ、と。  王女様に魔族から提供してもらった媚薬をかがせて、たぶらかしたのだ、と。  自分だけがこの国で唯一無二の「勇者」であるために新たに「勇者」となった者を裏で抹殺している、と。  そしてついに新勇者シリを抹殺しそこねた挙句、彼に告発されて国王の前で裁判が行われる、と。  そんなアルナルドに愛想をつかした女神クレスセンシア様が彼から恩寵を取り上げた、と。  そして今日、謁見の間でアルナルドの弁明が始まる。 ※気に入らない新勇者をパーティーから追放しようとして、逆に自らが追放される悪徳勇者が主人公のコメディです。気軽に読める内容ですので、暇つぶしにどうぞ。 「カクヨム」様でも公開しています。

更新:2020/9/9

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作:ねぎし

万能になったけど適当に生きる

――――私、ノ木火 葉(ノギヒ ヨウ)は死んだ。 それだけならよくある。 毎日大勢の人間が死んでいるのだから。 そこからが違う。 死んだにも関わらず意識があって目の前の「存在」に 「我々の世界で生きてくれ。生き延びる為になんでも好きな能力をあげよう」と言われた。 胡散臭い。でも、すでに拒否権はない状況。 なにせ、私はもう手も足もない。思考しかできない状態なのだから。 だから考えた。でも、めんどくさくなって「なんでも出来たらいいんじゃないか」と呟いた。 「じゃそれでいいね」とその存在はのたまわった。 いくら何でもそれでいいのかと思いつつも、いいならいいか。深く考える必要はない。 「それじゃー100年は頑張って生きてね」 たったそれだけで私は異世界に転生なのか転移なのかわからないが送られた。 「なんでもできる」と言われても困った。 とりあえず、生きる為にこの世界の「常識」が欲しいと思ったら頭に流れ込んできた。 目の前にはモンスターが現れた。 びっくりして「まってくれ」と思ったら時間が止まった。 本当になんでもできるけど、別にこれと言って何かしたいことがあるわけじゃないので、 身寄りがない人が多くの人がなる冒険者としていい感じに生きることにした。

更新:2020/12/26

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