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作:うみ

緑の魔女ルチルの開拓記~理想の村、作っちゃいます! 王都に戻る気はありません~

 緑の魔女と謳われた伯爵令嬢ルチルは順風満帆な暮らしを送っていた。  ところが、ある日突然魔力が消失してしまい国外退去の命を受けることに。  彼女が魔力を失った原因は公子と婚約したい妹による陰謀であったが、彼女が知る由もなかった。  令嬢としての地位を失い、公子との婚約も破棄となってしまったが、彼女は落ち込むどころから生き生きとして僻地へと旅立った。  僻地に住む村人は生気を失った虚ろな目をしており、畑も荒れ放題になっていた。  そこで彼女はもふもふした大賢者と出会い、魔力を取り戻す。  緑の魔女としての力を振るえるようになった彼女はメイドのエミリーや一部の村人と協力し、村を次々に開拓していく。  一方、彼女に国外退去を命じた王国では、第二王子がルチルの魔力消失の原因調査を進めていた。  彼はルチルの妹が犯人だと半ば確信を持つものの、証拠がつかめずにいる。  彼女の妹はかつてルチルと婚約していた公子との婚約を進めていた。    順調に発展していくかに思えた僻地の村であったが――。

更新:2022/8/13

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作:海堂 岬

私はそこにあるものを、見なかったことにしたはずだった

 とある国の、花も恥じらう乙女と言われる年代の私は、学園に通う伯爵家の娘の一人だ。  私が人と違うことの一つは、領地が水害続きで家が貧乏であること。もう一つは、八歳になった感謝を神様にお伝えするこの国伝統の礼拝のときに、神様から加護を授かったことだ。  神様からの加護は、数年に一人授かることが出来るか出来ないかの奇跡だ。ただ、残念ながら、私が授かった加護は、この国の歴史書に記されているような、素晴らしい加護ではなかった。  父母の話では、私が加護を授かったという噂の広がりとともに、怒涛のように押し寄せた婚約話は、私の加護の内容が知られたとたんに、潮のように引いていったそうだ。子供だった私には、関係のないことだ。  成長するにつれ、私のことを残念な加護持ちと、人々が噂していることを知ったが、私にはどうでもよかった。貧乏なのに、学園に通わせてくれた両親と兄のために、私は真面目に学園に通い勉強した。家族に経済的な負担をかけないために、神様から授かった加護を、私のお小遣い稼ぎに活用した。  これは、そんな私の日常を、神様が私に授けてくださった加護が、叩き壊してくれたお話である。 カクヨム にも投稿しています。カクヨム週間ランキング 恋愛で、64位をいただきました。 お頼みしていただけましたら幸いです。完結まで投稿しています。

更新:2022/8/16

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