ソフィーネが丘に立って麦浪(ばくろう)を眺めていると、そこへ一人の紳士が現れて、彼女にリンドウの青い花束を差し出した。 それはかつて彼女が好きな花だった。しかし彼女が今好きな花は違う花だった。だからその花束を受け取らなかった。 そして彼女は、もう二度とここへは来ないで下さいと元夫だった伯爵に告げて、彼女は建物の中へ入ろうとした。 するとその時鮮やかな赤毛の少女が飛び出してきて、母親に抱っこをせがんだ。 その様子を、伯爵は驚愕の表情で見つめていた。そしてソフィーネはそれに気付かぬ振りをして、娘を抱き上げながら建物の中へ消えていった。心の中で、 「これが六年前に私を捨てたあなたへの、私の細やかな仕返しよ」 と呟きながら。
更新:2023/9/30
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作:柴野いずみ【『悪役令嬢の白い結婚』コミカライズ企画進行中!】
【本編完結、後日談更新開始です!!】 「これは白い結婚ということにいたしましょう」 結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。 「……ああ、お前の好きにしろ」 婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。 ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。 いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。 そのはず、だったのだが……? 離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。 ※この作品は、こちら↓の長編版となります。 https://ncode.syosetu.com/n7473ii/ ※アルファポリス、カクヨムにも重複投稿しています。
更新:2023/9/17
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5歳の時からの婚約者はひとりの女性の出現で変わってしまった。 その女性、ザラは学園中の男子生徒を虜にした。そして王太子やその側近達もザラに夢中だった。 私の婚約者は王太子の側近。ザラに恋焦がれているようだ。 卒園パーティーの時、王太子や側近達はそれぞれの婚約者をザラのことを虐めたという理由で断罪し婚約を破棄した。もちろん冤罪だ。 私はザラに階段から突き落とされ骨折してしまい卒園パーティーには出ていなかった。私だけ婚約破棄されなかった。 しがらみで仕方なく結婚するけど、白い結婚で、時が来たら結婚自体を無効にし自由になるわ〜。その日が楽しみ……のはずだったのだけど。 作者独自の異世界のお話です。 緩い設定。ご都合主義です。
更新:2023/8/31
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ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 アルファポリス様にも投稿しています。
更新:2023/8/5
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政略結婚によって隣国に嫁いだマリアは、夫に初夜を放棄されてしまう。愛人のいる夫に愛なんて求めないが、子供のいないよそ者の妃の生活は惨めなものになるだろう。それが許せないマリアは、義理の父で国王のフェッセンに詰め寄った。
更新:2023/7/1
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伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。 社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。 ※本編完結済み、後日談を3/11から投稿していきます。 ※ハッピーエンドです。 ※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意! ※この作品は、こちら↓の長編版となります。 https://ncode.syosetu.com/n5017ia/
更新:2023/3/13
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