一年ごとにリセットされる記憶。全てを忘れて、目を覚ます度に、傍にいる君。その度に僕は君を愛するのだ。また忘れるというのに。
更新:2014/10/11
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二十四歳。二十代前半最後の年。大それた恋愛を! などと高望みはしない。そんなことをして、上手くいった試しなどない。それでも神様。可能であれば、恋の神様よ。いたいけな少年(いや、もう明らかに青年か)に、どうか救いの手を。何かこう、向こうの女性も運命を感じてしまうような、唐突かつロマンチックな出逢いを。………無理だろうなあ。でも、ロマンチックではないけれど、気になる人はできました。ある意味、衝撃的。 これは、そんな彼と彼女の物語。
更新:2014/10/10
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「おかしい。これは、おかしい」 こってこてで、あっまあまな、切ないラブストーリー。主人公は有名実業家を父に持つ心優しくて可愛いお嬢様と、その従者である気弱だけれども優しい青年の、紆余曲折を経て一緒になるまでの“物語”。キスで締めくくられる甘いラストを読んで、私はキッパリ駄目出しする。 「まずね、こんなできた従者なんていないのよ。前提から間違っているのよ」 そもそも私の従者は、絶対に私のことが嫌いだ。嫌いじゃなかったら頭を机に打つけさせたりしないでしょうよ! その上、嬉しそうに笑いやがる! ──残念ながら(嫌味)、甘いストーリーと完璧な登場人物とは程遠いのだ。
更新:2015/5/10
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大海賊ガルド=アーヴァン、時にボヴィルグイ海の魔物とさえ呼ばれる男の海賊船に無断で侵入したのは、絶滅したはずの人魚の娘・キャルリアンだった。 厄介ごとのニオイがする彼女を追い返したい海賊。他人を巻き込むことを厭い海に放り投げられたい人魚。二人の利害は合致したように思えたが、彼女が船の危機を救ったことで、なし崩し的に“捕虜”として保護することになり……。 「私は……貴方のこと、嫌いです」 ――救いを求めることは、諦めることよりも難しい。 ◆柄悪お人好し海賊×訳有り世間知らず人魚。
更新:2017/9/28
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「ごきげんよう」 私こと古比奈結海の日常は、お嬢さま方のそんな言葉で幕開く。綺麗な言葉、綺麗な人間関係、綺麗な世界。――ただ残念ながら、私はそうじゃない。好物はジャンクフード。好きな場所は、誰も来ない校舎裏。最近のマイブームは、そこでグレーの猫とまったり過ごすこと。 ……それだけだったはずなのに。 「はよ、古比奈」「……おはようございます、国永さま」 この男の存在が、全てを駄目にする。(ふざけんな国永!)
更新:2019/2/23
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「幸せになって」 淡く微笑む貴方は、私に背を向けて去って行く。泣いて縋ることをしなかった私は、強かったのか、弱かったのか。 貴方は知らなかったんでしょう。自分の言葉がまるで鎖のように、私を縛り付けることになるなんて。 それとも知っていたの? だとしたら、なんて残酷な人だろうか。 ――夢を見た。 目を覚ます。夢は思い出せない。私はいつも通り仕事に向かう。新規顧客は、カリスマ美容師と謳われる人だった。既視感を覚え戸惑う私に、彼は人が悪そうに笑う。 「思い出したら、教えてあげます」 夢の香りが強まる程、苦しみは増していく。愛さなければ良かったのに、と声が聞こえる。 それでも“椿”は、“彼”を望む。 まるで、よくできた呪いだ。 ◆Twitterのお題アンケで決まった『それは鎖のように』を基に作成。
更新:2016/3/29
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出逢いは小学生の頃。すったもんだの末、お付き合いを始めたのは二十歳の頃。同棲を始めたのはその三年後。今は二年目です。となれば、そりゃあお互いの性格も熟知して、──いるはず、ですけど、ねー? 愛情の形って、人それぞれ、カップルそれぞれ。でも本に夢中になって恋人ほかっとくのはどうかと。釣った魚に餌あげないと逃げちゃうんだからね! 「いってきます!」 「いってらっしゃい」 ヤケクソ気味に言い放った声に返ってきたのは、冷静に送り出す言葉。 …………ねえ、ちょっとは気になりませんか? 私のこと。 喜怒哀楽が激しく表情豊か(でもちょっと鬱陶しがられる)咲千さんと、無表情がスタンダード(コミュ力? そんなの不要だ)な学人さんの、なんでもないけど大切な日常のお話。
更新:2015/10/28
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俺の幼馴染は、馬鹿だと思う。 自室に入ることは許されるのに、手を伸ばすことはできない。 ──他の男と別れたことで泣くのなら、俺の手を掴めばいい。そうしたら、引っ張り上げてやるのに。 そう言いたいのに、言えなくて。 「──さっさと立ち直れ、ばーか」 強がりな女には不要な言葉を、あえて投げ掛ける。いきり立つ彼女に背を向け、俺はひらひら手を振った。 ああ、やってらんない。 俺も、相当な馬鹿だ。 ◆失恋した幼馴染を想う青年の恋模様。『やきいもいろ』の続編です。単体でも読めるはず。
更新:2015/10/2
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「まだ引き摺ってんの」 私は拗ねるように顔を背ける。ほっといてよ、と言い放てる程、厚かましくは生きられない。幼馴染たる彼が、当時わんわん泣きながら怒り、しまいには酔い潰れる私に、根気強く付き合ってくれたことは、記憶に浅い。 あれだけ泣いて、あれだけ怒って、あんな男別れて正解だったんだと吐き捨てた癖に、失恋して一ヶ月。恐るべきことに、私はまだ最低な彼のことを忘れられずにいる。馬鹿みたいに、辛い。 区切りを付けるには、それなりの気力が必要だ。再スタートするには、いっぱしの覚悟が必要だ。 それは大変に疲れる。それでも自分の人生は、幸せは、そんなに簡単に諦められる程、安いものじゃあないはずだ。 揺れる彼女が前を向く、秋の日の話。
更新:2015/9/23
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