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作:ギル・A・ヤマト

モブ冒険者だった僕だが、最後の意地くらい通してやった

 僕は最初、自分のことを主人公だと思っていたし、勇者になれるとも思っていたんだ。  まあそんな妄想はすぐに壊されることになるが。  幼い頃から一緒だったマーニャ、彼女が勇者だったからだ。  「勿論、ピンチになったらいつでも何処へでも駆けつけるぜ! それが勇者だからな!」  マーニャとそんな約束もしたが、彼女が勇者なのでそれも意味が無くなった。  結局勇者の力を持つ彼女と、ただの村人Aにしかなれない僕では大きな差があった。  当然絵本の様な凄い冒険も出来るわけもない。  魔物にビビって何も出来なかった僕では彼女の隣に立つ事だって出来ない。  そんな失意に溺れた僕はマーニャと別れてから数年。どこにでもいる冒険者Aとして過ごす。  冒険で稼いだお金も実家の助けになっている。  賢者や聖女は居ないが、僕には勿体無いくらいの仲間もできた。  そんな普通の冒険者生活を満喫していた僕だったが、ある日人類を震撼させる出来事が起きてしまった。  『勇者マーニャが魔王の手に堕ちた』  どうやらマーニャが魔王に洗脳されて、敵になってしまったらしい。  『勿論、ピンチになったらいつでも何処へでも駆けつけるぜ! それが勇者だからな!』  思い出すのは昔、普通の女の子だったマーニャと約束した事。  「僕だって僕なりの意地はある。最後の意地くらい通してみるか!」  その約束を守り通す為に僕は彼女を取り戻す冒険へと旅立った──。

更新:2022/10/12

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作:ジョージ

まいにち図書館と畑にいただけなのに気付いたら王太子姫になってました

ルーシュ・ニール17歳。 薬草学を徹底的に叩き込んでくれたお父祖さまがなくなってからの我が家はひどいものだった。 両親は屑だし、姉もどうしようもない人間たちで散財散財の日々。 お父祖さまが築き上げたものをわずか一か月ですべて無くしかけてると知った時、私は家を出ることを決意した。 大丈夫。私は薬学の知識もあるし、こうなった時のために生きて行けるようお爺様はいろいろ残してくれた。といってもシンプルに3つ。広大な畑と小さな家。そして、王立図書館への立ち入り許可証。 でも、この三つがあれば私は生きていける。家があれば雨風をしのげるし、寒さに耐えなくていい。そして知識は宝だから。 伯爵家でストレスフルな人たちと過ごしていたことを考えれば、一人でのんびり過ごすのなんて最高過ぎるんだけど… 自宅の畑で薬草を造り、薬を造って商会に卸し、暇があれば王立図書館に行って本を読み漁る日々。のんびり過ごしていた私に、ある日一人の男性が声を掛けてきた。ちょっと、本を読んでるのに声を掛けないでもらえますか??? 顔も見ないまま適当に相槌を打ってただけなのにその男性になぜか気に入られて…ってええええ!??!?!?話しかけてきたのって王太子じゃん!!え?なに?王太子って暇なの!? わー…関わりたくなーい。私は薬だけ作って本を読み漁ってのんびり生きていくの… 王太子だと気付いていないふりをして、彼の話に適当に数ヵ月付き合っていたある日のこと。 「私と、結婚してくれないか?」 「あ、大丈夫ですそういうのお腹いっぱいなので」 脊髄反射で断ってしまった。 ドウシテコウナッタ…!!!! ――――― 基本コメディで、楽しく進んでいけたらとおもいます~~

更新:2023/1/12

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作:白バリン

中二病にかかった人のための詠唱文分析と作成の予備講座

「スレイヤード スレイヤード バルモル暗き 闇の雷よ~~っ……」 「黄昏よりも昏きもの、血の流れよりも紅き存在……」 「哀竜・怨竜・怒竜の三竜王に命ず……」 「天空に散らばるあまたの精霊たちよ……」 「我、久遠の絆断たんと欲すれば言の葉は降魔の剣と化し汝を討つだろう……」 「カ~エ~ル~の~き~も~ち~!……」 「ザムディン!」 「クロウのつくりしカードよ、古き姿を捨て生まれ変われ……」 「我が名はめぐみん。紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りし者……」 「体は剣で出来ている……」 「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前……」 「天光満つる処に我は在り、黄泉の門開く処に汝在り……」 「悠久の時を巡る優しき風よ。我が前に集いて裂刃と成せ……」 「陵、其は崩壊の序曲を刻みし者!……」 「”君臨者よ!””血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ!”……」  以上の詠唱文はノベル、漫画、アニメ、ゲームのフィクションの中で創られてきたものです。それぞれに特徴があり、文脈があり、世界があり、時折文法的な間違いがあり、それでもそれが気にならないほど魅力的なものです。この講座では、数多くの作品の中から詠唱文を採りあげて、具体的な特徴や分析する視点を提供し、楽しい詠唱生活を過ごしていただければと思い書き始めています。また私的にまとめておきたい気持ちもあります。どこまで続けられるか心許ないですが、頑張ってのんびりと更新をしていきたいと思います。反響があったらもっと頑張ってみます。

更新:2022/9/2

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