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作:紫 はなな

おきつねさまとお目付け役

彼女の衣裳の裾を目に入れた人間は、己れの愚かさに涙する。 そう言わしめた雷鳴の中宮は、帝の寵愛を一身にうけていた。 玉藻姫が、大陸から渡ってくるまでは──。 帝の寵愛を奪われ、さらには玉藻姫に見下ろされる宴の席で不治の病をまかれた中宮は、その死の床で故郷の滅亡を聞かされた。 病の発端は中宮にあり、その根源である国を燃やし尽くさねばならない。 そう言って玉藻姫が、帝をそそのかしたのだと。 そして中宮自身も療養にと放り込まれたあばら屋で、同じ火にまかれながら、短い生涯を閉じた。  家臣たちだけでなく、故郷までまきこんだのだ、生まれかわれてもゴミ虫ていどだろうと思っていた中宮であったが、目が覚めるとまっしろなキツネ、ユキに転生していた。  生みの母、黄泉の神は疲れた顔をして言った。  玉藻姫の正体は、九尾の狐。彼女が皇后になってからというもの、嗜虐の限りを尽くし、黄泉は死者であふれ困っている。どうかお主の力で封じておくれ、と。  かくしてユキは、悪虐非道の玉藻姫と相対するその日のため。  お目付け役の見目麗しい少年コンと、その邸に棲む動物たちと暮らしながら、のんびりと生い育つのだった。 ※前半ほのぼの。中盤からグロ注意です。

更新:2022/2/8

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作:白色矮星

大日本帝国の異世界

太平洋戦争勃発前夜、紀州は熊野山中にて〝常世〟と呼ばれる異世界に通じる門が発見された。 仮に異世界が現世と同程度の広さを持つならば、そこに眠る資源も膨大であり、列強の包囲網に苦しむ大日本帝国にとっては、まさに蜘蛛の糸になりうる。 海軍のマル秘部隊に所属する如月鋼太郎は、特命を受け、陸軍主体の〝常世偵察隊〟に同行することに。 彼らは常世にて現地民に接触。現地民は見た目も言葉も日本人そのものであるが、小鬼と呼ばれるゴブリン族に虐げられていた。 偵察隊は、邦人保護のため、銃器をもって小鬼を撃退しようとするもーーー。 ーーーー 昭和ではなく、昭輪(しょうわ)の世界を舞台に繰り広げられる、異世界冒険架空戦記です。 序盤はちょっとだけ苦戦。中盤以降は呆れるほどの連戦連勝の予定。 ーーーー 物語内の世界は、現実世界とは異なる並行世界です。そのため、物語開始時点で海軍陸戦隊など、現実には存在しなかった部隊や兵器が登場します。 ーーーー ブクマや評価、感想をいただけると執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

更新:2022/1/6

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