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作:海堂 岬

「愛する方とは永遠に結ばれないでしょう」と予言された王子のお話、あるいは 予言の意味を(本能で)正しく読み解いた王子のお話

 昔々あるところに、一つの王国がありました。王様と、王妃様と、王妃様から生まれた三人の王子様達は、立派な王宮で仲良く暮らしておられました。国を治めるという、大変なお仕事を、立派に務めておられました。  王宮の近くに、小さな離宮がありました。小さな離宮にも、王子様がおられました。王妃様ではなく、平民から生まれた四人目の王子様でした。    四人目の王子様は「愛する方とは永遠に結ばれないでしょう」と予言を授けられました。  王様も王妃様も王妃様から生まれた三人の王子様たちも、貴族たちも、その予言に驚きましたが、四人目の王子様は、元気に「はい」と、お返事をされました。  月日は流れ、四人目の王子様も、恋するお年頃になりました。王国にある王侯貴族と一部の平民だけが通うことが出来る学園に、慣例通り、通っています。四人目の王子様は、お勉強が苦手でした。王子様がお勉強が苦手では困ります。学園長先生は、一人のお勉強が得意な平民の女の子を、四人目の王子様にお勉強を教えるために雇いました。  王族と平民は身分が違いすぎます。「愛する方と永遠に結ばれないでしょう」と予言された王子様です。相手の女の子を万が一好きになっても予言があります。問題はないだろうと学園長先生はお考えになったのです。  王様と王妃様と王妃様から生まれた三人の王子様たちも、学園長先生の意見に反対しませんでした。ご本人たちも、愛する人とでなく、国のためになる人と結婚するのです。「愛する方と永遠に結ばれないでしょう」という当たり前のことを告げた予言のことなど気にしていませんでした。  王家の人々にとって、平民は、治めるべき民です。慈しみ導いてやる存在であり、結婚などありえません。隣国との国境が騒がしくなり始めていたこともあり、四人目の王子様のことを考える暇などありませんでした。  人生は、予想通りに行くとは限りません。  これは、「愛する方と永遠に結ばれないでしょう」と予言された王子様と、その王子様を愛した女性の物語です。  フィクションです。実在の国、事件とは一切関係がありません。中世の欧州を基盤とした架空の世界です。身分制度があります。宗教もあります。物語の設定上のものであり、筆者個人の思想との関連性はありません。 R15は保険です。カクヨムにも投稿しております。

更新:2022/10/1

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作:サケ/坂石遊作

聖女は隠居したい ~ただの薬師、ちやほやされたくて聖女を名乗ったら何故か全国民が信じてしまったが、無自覚チートなのでなんとかする~

「聖女を名乗ってちやほやされよう!! なーに、一日だけだし平気でしょ!!」  平民の少女リゼットは、幼い頃から薬草が好きで、ひたすら研究した末に大抵の怪我や病気を治せるようになった。しかし魔法が重視されるこの時代において、リゼットの地味な努力は評価されなかった。  もっと色んな人にちやほやされたい……そう思ったリゼットは、ふと閃いた。  ――聖女。  数世紀おきに現れるという伝説の女性。神に愛されている彼女の魔法は、あらゆる怪我や病気を治すと言い伝えられていた。  自分も一応、怪我の治療とかなら得意だし……ちょっとだけなら聖女のフリをしてもバレないのでは? そう思ったリゼットは、 「私が聖女よ!!」  リゼットは聖女を自称し、一日限りで色んな人にちやほやされようとした。  しかしその嘘を想像以上に多くの人が信じてしまう。……実は先日、神託で「聖女が現れる」と予言されていたのだ。更にリゼットが製作したポーションの効果が尋常ではないことや、リゼットの経歴がでたらめであることなど、次々と妙な事実が明らかになり、民衆はリゼットを崇め始めた。  遂には本物の聖女までもがリゼットを慕いはじめ――。 (……あれ? 私、もしかしてもう聖女として生きるしかない?)  これは、承認欲求だだ漏れの主人公が聖女を自称してイケメンに囲まれようとしたら、いつの間にか全国民(本物の聖女含む)に崇拝されて取り返しがつかなくなる話。

更新:2022/9/9

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作:荒星

自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!

 主人公はある朝、会社に通勤する為に信号待ちしているとトラックが突っ込んできて死んでしまう。しかし、その直後何故か見知らぬ少年になっていた。そして、彼はテレビのニュースを見て、ここが自分の好きだったゲーム『ラストティアーズ』なのだと知る。  『ラストティアーズ』通称ラスティア。  太古の昔、天界で神々が争い、その戦争によって善なる神々の側に着いていた人間界にも危機が迫ったが、龍の力を持ちし英雄が邪神を討ち取り、邪神たちがモンスターを生み出していた工場であるダンジョンが残った。  ダンジョンのモンスターは放っておくと地上へ溢れて出てしまうので、エンフォーサーと呼ばれる者たちがダンジョンへ潜りモンスターを討伐していた。  しかし邪神を復活させようと企む者たちによって、地上でも不可解な事件が起きていた……  彼は途轍もなく理不尽にヒロインが最終決戦で、主人公の為に命を落とす展開を変えようと誓うが…… 「あれ? このキャラ何処かで……そういえばこの俺が転生したキャラって、一番最初の襲撃イベで殺される奴じゃね?」  これは原作知識を駆使して、それでも血反吐を吐きながら少しずつ強くなっていき、登場人物の不幸フラグを粉砕しながら、なんとか自分が死亡する未来を変えようと藻掻く男の物語。  大切な設定ポロリしかねないので、これから感想は基本楽しみに読ませて貰うだけにします。皆さま応援ありがとうございます!

更新:2022/9/9

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