少し未来。外惑星にまで活動領域を広げた人類は、未知の敵性体との交戦に突入してしまっていた。 中米軍管区参謀本部付き士官、リョウ・クルベ中尉はふとした事から火星駐留の軌道砲兵中隊に転属することになった。輸送艦の大破に見舞われるも、乗り合わせた女性士官とともに手持ちの資材を活用し、どうにか艦を再び火星への遷移軌道に引き戻す。 全高13メートルの人型砲兵メカ、オービットガンナー・モジュールを駆ってクルベが赴くのは、巨大惑星の重力がレールガンの弾道をゆがめ、弾着観測が一週間オーダーでようやく届く人知を超えた狂気の戦場――宇宙。 これは、軌道砲兵第三中隊『ガンフリント』の旗のもと、人類の尊厳をかけて困難に挑む人々の苦闘と、ささやかな勝利の物語である。
更新:2020/1/7
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今は遠い1980年代。俺、諏訪原光雄はさほどコアでもないアニメファンとして青春を過ごした。そして50代に差し掛かったある日、高校時代に楽しんだロボットアニメ「重戦甲ガルムザイン」の劇場版製作発表を知る。喜び興奮したのもつかの間、俺は交差点を横断中に暴走トラックに激突してあえなく死んでしまった。 気が付けば俺の意識は地球ではないどこか、第一次大戦をほうふつとさせる文明レベルをもつ世界の、大陸辺境で小さな村を治める騎士の家に、一人息子「ロンド・ロランド」として目覚めていた。 だが、その名こそ。 ガルムザインの劇中、中盤過ぎたところで悲惨な最期を遂げて退場するライバルキャラその人であったのだ。かくして原作知識を頼りに、ロンドこと俺の危険な綱渡りが始まった。
更新:2023/2/18
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【カクヨムコン5SF・ゲーム部門特別賞を受賞。ファンタジア文庫より書籍発売中です】 資産家の長女で頭脳明晰、個性的だが一目見たら忘れられない美貌の持ち主――それが僕の愛する解柔院薫子(げにゅういん・かおるこ)先輩だ。 そんな彼女を守ろうと、僕はテロリストの放った爆弾ドローンの前に身を投げ出してしまい―― 死んだはずの僕が目覚めたのは、どことも知れぬ巨大な施設の怪しげな培養カプセルの中。出迎えてくれた薫子先輩の説明に、僕は衝撃を受ける。なんとあれから二百四十年が経過していて、外界では人類の社会がすでに崩壊して久しいというのだ。 ラボを出た僕たちが手に入れたのは少しもどかしい不便さと、自由。そして無限の可能性。時を越えた約束を胸に、永遠の夏休みが始まった。
更新:2023/5/31
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下級貴族の庶子・スケイルは、父の死を境に生活の支えを失ってしまった。これといった才覚もない彼が飛びついたのは、「ダンジョン管理」という濡れ手に粟の生計手段――だが、その「ダンジョン」はなぜか、年端もいかない少女の姿をしていたのだ。 眼も手も届かない異世界から、夜ごと繰り返されるダンジョンアタック。スケイルは彼女を守り、安定した生活を続けることができるのか?
更新:2022/9/10
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1994年の初夏。大学院生の橘川と立花は学術調査の名目で伊豆諸島の小島を訪れた。 日子島――領有されて八十年になるこの離島には、今も人が寄り付かない。 固有の生物相を持つこの島は、しかし古来からの恐ろしい因縁に塗りつぶされた、光輝く地獄に他ならなかった。
更新:2018/12/24
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世界を騒がせたパンデミックがようやく終息しかけた大学三年の夏。僕、鍜治隆弘はひさびさに九州の実家に帰る。幼少時に慕っていた伯父・知明の死去からは、葬送や追悼に参加できないまま一年がたっていた。 形見の一部について受取人に指定されていると聞かされ、伯父の遺した家を訪れた僕は、従妹の香苗から1970年代の古いラジオを渡される。それは、伯父が生前没頭していたBCL(Broadcast Listening)の機材だった。 ラジオと共に添えられていた「ベリカード(受信確認証)」を興味津々で整理していた僕だったが、奇妙なことに気づく。 それらのカードの中には数枚、電離層の反射を考慮しても到底受信不可能な地域を発信局とするものがあったのだ。首をかしげる僕の周辺に、やがて不審な人々が出没し始める――
更新:2023/9/26
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